早乙女勝元(すみだゆかりの人物を紹介します)
早乙女 勝元
画像は、『早乙女勝元-炎の夜の隅田川レクイエム-』(早乙女勝元/著、日本図書センター、2004)表紙
生年月日:昭和7年(1932)3月26日
没年月日:令和4年(2022)5月10日
職業:小説家
プロフィール
東京都足立区生まれ。四人兄弟の末っ子。父は定職に就かず母が針仕事で四人の子どもを育てる。14歳で就職。働きながら定時制高校へ通い文学を志す。
昭和27年(1952)18歳で書いた「下町の故郷」が出版され直木賞候補に推薦される。その後「ハモニカ工場」「美しい橋」を発表。昭和33年(1952)作家専業となる。作品の多くが映像化された。
昭和45年(1970)「東京空襲を記録する会」を結成。昭和46年(1971)東京空襲の体験者の話をまとめた「東京大空襲ー昭和20年3月10日の記録ー」を発表、日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞。昭和49年(1974)「東京大空襲・戦災誌」全5巻を刊行、菊池寛賞受賞。同年、ベトナム戦争で家族を亡くした少女の実話「ベトナムのダーちゃん」を刊行しベストセラーになる。平成14年(2002)江東区に「東京大空襲・戦災資料センター」をオープン。初代館長に就任する。生涯平和を訴え続けた。
墨田区とのかかわり
昭和14年(1939)一家が向島区(現・墨田区)寺島町に転居する。昭和19年(1944)学徒勤労動員がはじまり、隅田川沿いの久保田鉄工場にかり出される。昭和20年(1945)東京大空襲を向島で体験する。昭和21年(1946)鐘紡附属東京理化学研究所に少年工として勤務。同時に旧制府立七中(現・都立墨田川高校)夜間部に入学。「ハモニカ工場」「下町の故郷」「美しい橋」など墨田区を舞台とした作品をいくつも発表した。
参考文献
- すみだゆかりの作家(墨田区教育委員会社会教育課/編・発行 1984)
- 早乙女勝元ー炎の夜の隅田川レクイエムー 早乙女勝元/著(日本図書センター 2004)
- 向島文学散歩(すみだ向島文学のまち実行委員会 2010)
- 生きることと学ぶこと 早乙女勝元/著(岩波書店 1997)
- その声を力に 早乙女勝元/著(新日本出版社 2018)
著作
- 下町の故郷ー18歳の少年の手記ー(三一書房 1962)
- ハモニカ工場 新装版(未来社 1985)
- 美しい橋(本の泉社 2020)
- 東京大空襲ー昭和20年3月10日の記録ー(岩波書店 1971)
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関連リンク
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すみだゆかりの人物紹介
墨田区で生まれた、育った、暮らしたなど、すみだにゆかりのある人物を紹介します。
掲載日:2025年7月15日