ティーンズトップページ

2018年12月 命のダイヤルー泣ける物語ー

過去のオススメ本一覧

命のダイヤル-泣ける物語-

赤川次郎/著 汐文社/2018.1

命のダイヤル-泣ける物語-
両親が、何年かぶりの旧婚旅行に行き、姉と理沙(17歳)の二人きりの河本家の電話が鳴ったのは、夜の7時半だった。テレビを見ていた理沙が、廊下を走り電話に出ると「河本美津子さんはいらっしゃいますか?」と男性の声が響いた。電話は、姉の会社の上司、「僕は今夜10時半に死ぬ」と話し、「10円玉がないんだ」と居場所を告げず電話が切れた。
姉は、日ごろの上司とした会話を手掛かりに手を尽くすが、上司の居場所はつかめなかった。
刻々と時間が迫る中、理沙を電話番で家へ残し、姉は上司の家へとタクシーを急がせたのだった。
 「奥様とお母様と同居する上司が、なぜ美津子に電話してきたのか?」「なぜ、上司は死ななければならないのか?」「姉は、上司を引き留めることが出来るのか?」ハラハラドキドキの短編ミステリーです。スマートフォンをが普及している今となっては、家の固定電話しか無かったころの話に、やきもきするかもしれませんね!
 この本には、この「命のダイヤル」を含む、邪悪な心が見え隠れする話の中にも人の優しさが伝わってくる、ちょっと泣けるミステリーが4作収められています。
 赤川次郎 ミステリーの小箱(全5巻)シリーズの「真夜中の電話」・「十代最後の日」・「保健室の午後」・「洪水の前」も合わせて読んでみてください。
 どれも短編集なので、ぜひ朝読書で読んでみてください。