富士山はいつ噴火するのか?

萬年一剛／著
筑摩書房／2022．７

タイトルを読んでドキっとしませんか？
日本で一番有名な山「富士山」は活火山だということでも知られています。しかし、この三百年ほど噴火はしていません。それでは富士山が本当に噴火したらどうなるのでしょうか。富士山が過去に噴火した事例を検証し、現在同じ規模の噴火が起こったらどうなるのか、影響はどの地域まで広がるのかシュミレーションされたデータで解説しています。噴火の影響で物や人の流れや電気なども止まるでしょう。食料がなくなったり、病院での治療が受けられないなど命の問題に関わってきます。「いつ噴火するか」を心配するのではなく「いつ噴火しても大丈夫」な状態でいることが重要だそうです。富士山の噴火だけではなく、災害全般についてのしくみや被害を予測することで、日ごろから防災意識を高めることが必要なのです。「だれもが取り残されない経済と社会を構築していくことが、富士山の噴火災害に限らず大規模災害への一番の対応」だと著者は述べています。富士山の噴火を通して、災害について改めて考えさせられる一冊です。