過去のオススメ本一覧
佐藤雅彦/原作 菅俊一/原作 高橋秀明/画
マガジンハウス/2017.11

みなさんは「行動経済学」という言葉を聞いたことがありますか?
人間は常に理にかなった行動をしているわけではなく、よく考えれば非合理な行動を、何とはなしにしてしまっているものです。
日頃の買い物から国家事業に至るまで、人間のそういった非合理な心理的側面が経済活動に及ぼしている影響について解明していく学問が、「行動経済学」です。
そう説明すると難しく感じる「行動経済学」。でも具体的な事例をあげると「そういえばそうだ!」「わかるわかる!」とうなずけることがたくさんある学問なのです。
この本では、そんな事例をちょっとレトロなタッチのまんがでわかりやすく解説しています。
ここに書かれた原理を頭におくことで、人生の場面でより効率的な行動ができるかもしれません。
そのなかの一例をご紹介しましょう。
素敵なレストランでのデートの後、お相手にお店の感想をきいてみたエミちゃん。
「おいしかったけど、ちょっと高いね」と言われ、がっかりします。
これが、「高かったけど、おいしかったね」と言われたら、どうでしょう?
またこのレストランに一緒に行きたくなりませんか?
人間には、複数の情報を順番に示されたときに後の方で出された情報の方をより印象強く感じてしまう「新近効果」という心理があります。
同じ情報であっても、前後によって受け取る側にとっての意味は結果的に変わるのです。
この本を企画した佐藤雅彦さんは、テレビ番組「ピタゴラスイッチ」の生みの親として有名なクリエイティブ・ディレクター。ほかにも人間の認知機能と心理が日常生活の中で見せる不思議に焦点をあてた著作がありますので、興味があればこちらもぜひ読んでみて下さいね。
新しい分かり方
佐藤雅彦/著 中央公論社/2017
考えの整頓
佐藤雅彦/著 暮しの手帖社/2011