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2025年8月 腐りゆく君と遺された私

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腐りゆく君と遺された私

藤白圭/著
竹書房/2025.5


ある日、遅くに目が覚めた蛍夏は幼なじみで恋人の央理の声を聞く。
「ごめん。俺、死んだ」
央理は写真にのめりこんでいて、今も撮影旅行に行っているはずだった。
鏡には映る央理の姿。あまりに明るくあっけらかんとしたその様子に、蛍夏は、彼は死んだ気がしているだけの生霊ではないかと見当をつけた。いなくなるまでこの季節ならばせいぜい1週間か10日、それまでの間蛍夏と一緒に居てできなかったことをやりたいと央理は言う。つまりデートだ。央理と蛍夏はべたべたとした思い出があまりなかった、
きっと後で恥ずかして思いをするに違いないとほくそえみながらも了承した蛍夏だが、あくる日から央理の姿は変化していく。まるで死体のように崩れてきて……。
季節は夏。
生きていないならば体は腐っていく。
央理はまさか、本当に死んでいる――!?

央理(の死体?)と再会するまでの蛍夏の一週間の物語です。